忙しい日常から離れて温泉に浸かれば、心も体もほぐれますよね。
しかもそれが、人の少ない“秘湯”だったら——その時間はもっと特別なものになります。
ここでは「アクセスが少し大変」「自然の中にある」など、私が感じた“秘湯”について書きました。
私たち夫婦はほぼ車中泊旅なので「日帰り利用が可能」をメインにご紹介していきます。
1.車旅だから行けた秘湯10選【東北中心】
①酸ヶ湯温泉(青森県)
②黄金崎不老ふ死温泉(青森県)
③豊富温泉(北海道)
④松之山温泉(新潟県)
⑤鉛温泉(岩手県)
⑥大牧温泉(富山県)/非日常体験が好きな人に
⑦新高湯温泉 吾妻屋旅館(山形県)
⑧湯の峰温泉 つぼ湯(和歌山県)
⑨大沢温泉(岩手県)
⑩綿帽子温泉館 あずみの湯(岩手県)/トロトロ泉質重視の人に
2.まとめ 車旅なら、自分だけの秘湯を探せる!
1.車旅だから行けた秘湯10選【東北中心】
①酸ヶ湯温泉(青森県)

青森県の山奥にある酸ヶ湯温泉は、白く濁ったお湯と独特の香りが印象的な秘湯です。
木造の趣ある建物に足を踏み入れると、どこか昔にタイムスリップしたような空気が流れています。
名物は、広い浴場にたっぷりと湯が満たされた「ヒバ千人風呂」。
一見すると混浴でハードルが高そうに感じますが、女性専用の仕切りスペースもあり、安心して入ることができます。
実際に入ってみて一番印象に残ったのは、お湯の香りです。
一般的な硫黄の温泉とは少し違い、どこかバニラのようなやわらかい香りがして、とても落ち着きます。この香りはここでしか体験できないのでは、と思うほど印象的でした。
観光地の温泉とは違い、派手さはないけれど、じんわりと体に染み込んでくるような心地よさがあります。
静かな山の中で、ゆっくりと温泉に浸かる時間は、まさに“秘湯”という言葉がぴったりの体験でした。
②黄金崎不老ふ死温泉(青森県)

青森県・日本海沿いにある不老不死温泉は、海のすぐそばで入れる露天風呂が有名な秘湯です。
波の音を聞きながら湯に浸かる時間は、ここでしか味わえない特別な体験です。
特に印象的なのが夕方の時間帯。
水平線に沈んでいく夕陽を眺めながら入る温泉は、本当に息をのむ美しさで、思わず時間を忘れてしまいます。
この温泉は女性専用と混浴の露天風呂が並んでいますが、より景色が良いのは混浴の方なので、最初は少しハードルが高く感じるかもしれません。
女性は受付で湯浴み着を借りることができるので、安心して入ることができます。
正直なところ、最初は「どうしよう…」と少し戸惑いましたが、入ってしまえば混浴も意外と気にならなくなるものです。
周りも同じように温泉を楽しんでいるだけですし、「この人たちとはもう一生会わないんだ」と思うと、不思議と気が楽になります。
私は夫と一緒に訪れたこともあり、安心感もあってより楽しめたのかもしれません。
一人や女性同士だとまた違った感覚かもしれませんが、それも含めて非日常の体験として印象に残る温泉です。
波がすぐ目の前まで来る距離にあるため、荒天時は入れないこともありますのでご注意ください。
③豊富温泉(北海道)
北海道の北部にある豊富温泉は、全国的にも珍しい「石油成分」を含んだ温泉として知られています。
最初に聞いたときは「石油?」と半信半疑でしたが、実際に行ってみるとその意味がすぐにわかりました。
湯船に入ると、水面にうっすらと虹色の膜のようなものが浮かんでいます。
これは…、石油だ。正直かなり驚きました。
私が訪れたのは「町営温泉入浴施設 ふれあいセンター」でしたが、地元の方がとても多く、みなさん当たり前のように入浴しているのが印象的でした。
自分は「え、これ大丈夫…?」と戸惑っているのに、周りは普通にくつろいでいるというギャップが、なんとも不思議な感覚でした。
お湯は独特ですが肌あたりはやわらかく、湯上がり後はしっとりとした感覚が残ります。
見た目のインパクトとは裏腹に、じんわりと体に効いてくるような温泉です。
ここまで個性的な温泉はなかなかなく、まさに“唯一無二”の体験ができる秘湯だと思います。
独特のにおいがあるため、好みは分かれるかもしれませんが、それも含めて記憶に残る温泉です。
④松之山温泉(新潟県)

新潟県にある松之山温泉は、日本三大薬湯のひとつとも言われる、歴史ある温泉地です。
泉質の良さで知られていますが、実際に訪れてみて印象に残ったのは「香り」でした。
温泉というと、泉質や効能に注目することが多いですが、ここではお湯に入った瞬間、ふわっと広がるやさしい香りに驚きます。
カモミールのような、どこかハーブを思わせる香りで、とても落ち着いた気分になります。
観光地の華やかさというよりは、じっくりと体と心を休めるための温泉。
気づけば長湯してしまうような、そんな居心地の良さがありました。
⑤鉛温泉(岩手県)
岩手県にある鉛温泉は、昔ながらの湯治場の雰囲気が残る、趣のある温泉です。
中でも有名なのが、深さのある立ち湯の浴場です。
実際に入ってみると、想像以上に深くてびっくりします。
立ったまま入るスタイルで、場所によっては肩までしっかり浸かるほどの深さがあり、普段の温泉とはまったく違う感覚です。
この温泉も基本的には混浴ですが、私が訪れたのは冬だったこともあり、人がほとんどおらず、実質夫と2人だけの貸切のような状態でした。(女性専用の時間もあります)
静かな空間の中で、ゆっくりと温泉を楽しむことができました。
深い湯船の中で体を動かすと、お湯がゆらゆらと揺れて、なんとも不思議な感覚になります。
思わず2人でぐるぐると回って、お湯をかき混ぜて遊んでしまったのも、今ではいい思い出です。
派手な観光地の温泉ではありませんが、昔ながらの雰囲気と少しユニークな体験ができる、印象に残る秘湯でした。
深さがあるため、小柄な方は少し注意が必要かもしれません。
⑥大牧温泉(富山県)/非日常体験が好きな人に

富山県の山奥にある大牧温泉は、船でしか行くことができない秘湯として知られています。
訪れたのは2月。あたり一面が雪に覆われた、まさに冬の絶景の中での旅でした。
温泉へはダム湖を進む船に乗って向かいます。
雪に包まれた静かな水面を、ゆっくりと進んでいく時間は、まるで冒険のようでワクワクします。
約30分ほど船に揺られていると、川べりに建つ大きな旅館が見えてきます。
山奥の自然の中に突然現れるその姿は圧倒的で、到着した瞬間から非日常の世界に入り込んだような感覚になります。
建物の雰囲気もとても良く、秘湯らしい特別感があります。
露天風呂は川の近くまで降りて入る造りになっており、目の前に広がる自然を感じながらゆっくりと温泉を楽しむことができます。
雪景色と川の流れを眺めながら入るお風呂は、ここでしか味わえない贅沢な時間でした。
アクセスの手間も含めてひとつの体験になっている、記憶に残る温泉です。
天候によっては船の運行に影響が出ることもあるため、事前の確認がおすすめです。
⑦新高湯温泉 吾妻屋旅館(山形県)

山形県の山奥にある新高湯温泉 吾妻屋旅館は、静かな自然に囲まれた、まさに“隠れ宿”のような温泉です。
私が訪れたときは自家用車ではなく、高速バスで米沢駅まで向かい、路線バス約40分で天元台湯元バス停で降車。そこから宿の送迎で連れて行っていただきました。(冬季はマイカーの方も天元台湯元に駐車し、宿の送迎でのみのアクセスとなります)
ロープウェー駅まで迎えに来てもらうのですが、その道中もどんどん山の奥へと入っていき、「こんなところに宿があるの?」と思うほどの場所にあります。
到着すると、周りは雪に包まれた静かな世界。
人の気配も少なく、日常から切り離されたような時間が流れていました。
温泉は雪を眺めながら入る“雪見風呂”。
しんと静まり返った空気の中で、ゆっくりと湯に浸かる時間はとても贅沢で、心からリラックスできるひとときでした。
また、宿のご主人の人柄もとても温かく、印象に残っています。
食事では山の幸を使った料理が並び、どれも素朴で美味しく、体に染みるような味でした。
アクセスの大変さも含めて、この場所だからこそ味わえる特別な体験。
静かに過ごしたい人にはぴったりの秘湯です。
⑧湯の峰温泉 つぼ湯(和歌山県)

和歌山県・熊野古道の入り口付近にある湯の峰温泉は、歴史ある温泉地として知られています。
その中でも有名なのが、小さな湯小屋にひっそりと佇む「つぼ湯」です。
この温泉は「入浴できる世界遺産」としても知られており、特別感のある場所です。
川沿いにある温泉を小屋で覆ったような造りで、とてもコンパクトな空間になっています。
利用は一度に1組のみ。
受付をして順番を待ち、自分たちの番が来たら入るスタイルです。
この待つ時間も含めて、ちょっとしたイベントのような楽しさがあります。
実際に入ってみると、お湯はやや熱め。
ゆっくり長湯するというよりは、「ここに入る」という体験そのものを楽しむ温泉だと感じました。
また、近くの川では温泉の熱を利用して温泉卵を作ることもできます。
受付で卵を購入して川に浸けておくと、ちょうど良い加減に仕上がるのも面白いポイントです。
熊野古道を歩いてきた人たちが、ここで体を休めていたのかと思うと、自然と歴史に思いを馳せてしまいます。
そんな時間も含めて楽しめる、特別な温泉です。
人気のため待ち時間が発生することもあるので、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
⑨大沢温泉(岩手県)

岩手県・花巻にある大沢温泉は、昔ながらの湯治文化が今も色濃く残る温泉です。
宿泊用の建物とは別に、長期滞在を前提とした湯治場の建物があるのが特徴で、「温泉で体を癒す場所」としての歴史を感じます。
華やかな観光地の温泉とは違い、どこか素朴で落ち着いた雰囲気。
館内を歩いていると、ゆっくりと時間が流れているような感覚になります。
外には広い混浴の露天風呂もあり、小川のせせらぎを聞きながら入ることができます。
自然の音に包まれながら湯に浸かっていると、心まで落ち着いていくような感覚がありました。
温泉はシンプルながらも心地よく、日々の疲れをじんわりと癒してくれるようなお湯でした。
観光として“楽しむ”というよりは、静かに過ごしながら体を整えるための場所、という印象です。
実際に湯治で長く滞在している方も多く、観光客というよりは「ここで暮らすように過ごす人たち」がいる空間でした。
そうした空気感も含めて、他の温泉とは違う魅力があります。
⑩綿帽子温泉館 あずみの湯(岩手県)/トロトロ泉質重視の人に
岩手県・八幡平エリアにある綿帽子温泉館 あずみの湯は、とにかく“お湯の質感”が印象的な温泉です。
私の夫はアルカリ性のいわゆる“トロトロ系温泉”が大好きで、これまで全国のそういった温泉を巡ってきたのですが、その中でも「ここが一番トロトロしている」と言っていたのがこの温泉でした。
実際に入ってみると、お湯が肌にまとわりつくような感覚で、まるで化粧水に浸かっているかのようなとろみがあります。
いわゆる“美人の湯”と呼ばれるタイプの温泉ですが、その中でも群を抜いていると感じました。
一方で、硫黄の香りもしっかりと強く、湯上がり後は全身がしっかりと温泉のにおいに包まれます。
正直、においはそれなりに残りますが、それも含めて「効いている感じ」がして、体に良さそうだなと感じる温泉でした。
最近、日本三大美人の湯として知られる温泉にも入る機会がありましたが、それと比べても、この温泉のとろみの強さは印象に残っています。
“とにかく泉質重視で温泉を楽しみたい人”には、ぜひ一度体験してほしい場所です。
まとめ 車旅なら、自分だけの秘湯を探せる!
秘湯はアクセスが大変な場所も多いですが、その分、ここでしかできない体験が待っています。
車旅なら多少へんぴな場所でも行きやすいのが魅力です。
次の旅では、少しだけ寄り道して、地図の端にある温泉を目指してみてください。
思いがけず、忘れられない温泉に出会えるかもしれません。
この記事を読んでくださったあなたの旅が、楽しい車旅になりますように!
※車中泊はマナーと節度を守って楽しみましょう。

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